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アダム・ブレイズ(マイヤ)


Voice:結城碧


旧暦(高度文明期)

享年:41歳
属性:火属性
出身:南地フォーマルハウト

新暦(人類滅亡後)

SIR=GEMINI/双子座の守護者
役割:C-GE:最高指揮官


救国の英雄 / 人類繁栄を謳う者

機巧人形たちが社会形成する新暦においての彼のコードネームはSIR=GEMINI。
『双子座』をその身に冠する人形社会の要人だ。
普段は、セントラル中央司令塔ガンエデン(通称:C-GE)にて政を司る知能型アンドロイドであるが、非常時には「魔素喰らい」と呼ばれる謎の敵生命体の破壊を生業とする戦闘型機巧にも助力する。火属性魔法を得意とし、その実力は専門部門のアンドロイド達にも引けを取らない。

そんな彼のオリジナルの魂の名は、アダム・ブレイズ。
その正体は、かつて『救国の英雄』と呼ばれた人類戦争平定の立役者で、主人公イヴ・マイヤの実父である。
今日はここに、偉大な彼の軌跡を紹介しよう。


キャラクターボイス


『どうして君は、“あれ”だけ倒せないんだい?』



『生きてくれ、とあれほど言ったのに・・・。
君は、ほんとに昔から、私の言うことを大事なところで聞いてくれないな。』



トレーラー用タイトルコール『交響唱 カガリビト 3月22日 21時』


   

STORY

◀ 『イヴ・マイヤの軌跡』

▼EP2:『アダム・ブレイズの軌跡』

当時の本職は魔導師であり、精神分析学者。
精神を操る独自の魔術に長けたセントラルのエリート官僚であった。(軍属ではない)

『セントラルに帰りたい…』

(※グランドシャリオット派遣当時の泣き言)

上官だった女将軍、ヌルの気まぐれにより、天才科学者、リリス・マイヤの所属する北国グランドシャリオットの機巧研究施設“フォルスダッドコール”に半ば無理やり派遣されることとなる。

結果、リリスの『新型機巧に人と変わらぬ心を』などという途方もない“アストラルフレア消費削減計画”に巻き込まれることとなるが、「終末ノ病」が発生するまでは、『機巧に理性を与える事こそが星も彼らも救う為の最善』という彼女の理念を支持し、彼女ならば成し遂げると信じて、献身的に支えてきた。

『リリス、君にはほとほと呆れたよ』

(※グランドシャリオット離反決意時)

だが、病の進行により精神異常を来したリリスは、徐々に正常な判断力を失い、自死までのタイムリミットには目もくれることなく、勝機の無い研究へ没頭することとなってしまう。

アダムは「セントラルの英雄」と呼ばれる特殊な経歴を持っている。
彼はわずか15歳にして、東国アルデバランのレジスタンスとセントラルの長きに渡る紛争を停戦に導いた。

その過程で彼は、強大な魔力を得る為に、セントラルの最下層に眠る「エデン」と呼ばれる世界の深淵に触れている。

接触はセントラルの始祖、“レヴィア・リイン”の遺言により禁忌とされ、
末裔の皇族の間で太古より厳重に封印されてきた“それ”は、まさに「神話上の代物」だったという。

「触れると死をもらう白き花園」のその先に、たしかに赤は存在した。
アストラルフレア魔素」の源流が隆々と噴き出し続ける、
かの「善悪の智慧の泉」の水面には、伝説の「篝火」が灯って揺らめき、
常時その周囲を漂う「翠煙」は、まるでこの世のものとは思えぬ美しき光を放って、僕を優しく出迎えてくれた、
と生還を果たした彼は後にヌルへと語ったそうだが、その赤き光景を目の当たりにした者は彼以外にはいない。

クチナシの花はそれほどまでに人に畏れられてきた太古からの「死」の象徴で、
それが故、「篝火」に辿り着くことは不可能と言付けられてきた危険な代物、
それがセントラルに宿る無の神、「エデン」の正体なのだから。

かくして、かの神より“篝火”の神力を賜ったことにより、
アストラルフレア枯渇の環境変化による精神的被害をこの世で一番受けづらい体質となってしまったアダムは、
「終末ノ病」が急速に蔓延するこの世界で唯一、“最期”まで真実を見据え続ける現実主義者とならざるを得なかった。

彼は怯えていた。自分だけが“正常な心”で、最後まで生き残ってしまうであろう事実に。愛するリリスの「終末ノ病」罹患の報は、“救国の英雄”を弱くした。
― 「せめて、イヴだけは、失いたくない」 ―
その心が彼を突き動かすのに、そう時間はかからなかったという。
彼はフォルスダッドコールより、最愛の娘を連れ出し、人類存亡をかけた【カガリビト破壊計画】を優先するべく、泣く泣く妻を置いてセントラルへと帰還する。

『間に合わないんだ、ママ達の研究は…。
今、カガリビトを壊さなければ人類は滅亡する。これは、決定事項だ。』

『…パパのお手伝いすれば、ママ、助かる?』

『アストラルフレアを星へ還して彼女の心が癒されるのであれば、あるいは。
パパはお医者さんじゃないから、保証はできないんだ。
でも、ママのために精一杯頑張るよ。
セントラルには優秀な軍医も多いし、ヌルもいる。
皆で協力すれば、きっと解決の糸口が見つかると思うんだ。
だからイヴ…、どうか、私についてきてくれるかい?』

『…うん。パパと行く。イヴ、“みんな”にお別れ言ってくるね。』

(※リリスと別れるとアダムが決めた際の娘、イヴとの会話。
“みんな”、とは今までお世話になった旧型カガリビトのこと。
旧型には“疑似精神”しかないので、別れを言われても彼らは応答してくれない、とわかっていて一言。)

その際、彼は“疑似精神システム”の要となるはずであった特別新型機巧『VIRGO』に使用する予定のセーフティ機構、“篝火”を命からがら同施設から持ち出している。
全てのカガリビトの“心”を繋いで制御下に置くための、“善悪の智慧”を駆使した彼の魔導技術は、機巧人形達にとっては『自殺機構』ともなり得る代物だ。
全ては“篝火”を扱う者の意志一つ。

だが、目的を果たすことなく、突如として彼は終わりを迎えることとなる。
セントラルに帰還後程なくして、彼は最愛の娘に看取られ、静かに息を引き取った。

「生と死の花園」に触れた代償が、“彼の半生”であることを知る者は少ない。
真実は隠匿され、「旧型破壊」による人類の生存の可能性を断たれたセントラルは恐慌状態に陥ることとなるが、それはまた別の話。

『よりにもよって今なのかい…?
君は…いつだって優しくて、そして残酷だね。エデン…。』

(※寿命が近い、と悟ったアダムの独りごと。
エデンは各地の神々と同じく召喚獣化していると思ったので、意思疎通が可能としてのセリフです。)

『イヴ、どうか私の最後の願いを聞いてほしい。
生きてくれ。ママの“罪”を壊すんだ。』

(※エデンの叡智を娘に託したアダムの遺言➔イヴ項のとおり、彼女はこれを受け入れない。)

死の間際、彼は娘に自身の知る限りの叡智を全て託したという。
「全ての旧型機巧を破壊して、どうか、生き延びてほしい」と彼女に懇願して。
こうして“篝火”は娘のイヴへと受け継がれたわけだが、彼自身が完遂するはずだった“心を持つ機巧”の破壊というつらい役割を、誰よりも守りたかったはずの娘へ託すことしかできなくなってしまった彼の無念は計り知れないものだっただろう。
同時に、アダムの中に拡がった「先に逝くことができる」という安息もまた、彼を最後まで苦しめてやまなかった。

彼の出生は南国フォーマルハウト、ブレイズ領。
宝石商として財を成した富豪、ジョゼフ・ブレイズの次男として生を受けた。
職人としても、商人としても優秀であったが為に兄から疎まれ続けた幼少時代、そして、そんな兄の策略により、わずか12歳で家を追われ、暗殺の恐怖に怯えながらセントラルに行き着いた彼が、半生を代償にしてでも“篝火”の力を欲したのは当然の帰結だったのかもしれない。家族というものの愛情に飢えていた彼が命を賭して掴んだ「幸せ」の象徴こそが、リリス、そしてイヴだ。
SIR=GEMINIとしての彼は、幸せに満ち足りている。二人が傍にいるのだから。
だからこそ、彼が南地でロストメモリーを取り戻す旅路は、きっと険しいものとなるだろう。

『リリス・マイヤの軌跡』 ▶

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※ストーリーはキャラクター順に繋がっています。