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イヴ・マイヤ(ブレイズ)


Voice:Lily


旧暦(高度文明期)

享年:16歳
属性:全属性
出身:北地グランドシャリオット

新暦(人類滅亡後)

LADY=ROLELESS(VIRGO)/“役割無き乙女”


篝火の継承者 / 四魔よつまを喰む蝶花

彼女の正体は、かつて滅亡した“人類”、その最後の皇帝であり、
全新型機巧に投射された“魂の創造主”だ。

成功は絶望的とされていた終末の夢 ――『ノアの方舟計劃』
その最後の生き残りとしての大任を、人としての彼女は奇しくも全うしきってしまったのだ。
自身の躯体にその魂を移すことには成功したものの、孤独な終末の激動の中で最後に一人“自殺”を強いられた当時16歳の幼い少女の魂は、随分と長いことその記憶の蓋を閉ざしてしまっていたようだ。
かくして長きにわたり他の機巧達から“役割無き乙女”ロールレスと揶揄されてきた彼女が自身の“役割”を取り戻した今、プログラムされたその揺るがぬ意志は光の糸を力強く操り始め、物語は終幕へ向けて動き出す。

『私が、守らなきゃ ――』


キャラクターボイス


『みんなにはロストメモリーを回収してもらいたいの。
この旅は、誰一人、欠けてはならないの。』



『だって、絶対譲れなかったんだもん。
あんな満ち足りた顔してイヴだけ生きろなんて。
パパは死にたがりが過ぎるわ。』



『貴方たちに光の糸と揺るがぬ意志を与えます。』



『私が、守らなきゃ・・・』


   

STORY

▼ 『イヴ・マイヤの軌跡』

彼女は稀代の機巧学者リリス・マイヤと天才魔導師アダム・ブレイズの一人娘として、人類暦の終末期に生を受けた。

まずここに紹介するのは、この少女の人生の軌跡である。

『イヴもパパみたいな偉い魔導師様になってママのお手伝いするの!』

(※母・リリスへ夢を語る幼少時代)

本来であれば彼女は四大の魔に愛された“アストラル”の申し子であり、英雄として名を馳せた父、アダム・ブレイズを遙かに上回る魔導師としての才を持って生まれた逸材であった。
時代が時代であれば、大出世していたことであろう。
だが、母、リリス・マイヤの生んだ旧型機巧人形の大量稼働に起因する“星の危機”は、彼女の立場を危うくした。
全生物の魔力、そして命の源である魔素“アストラルフレア”が枯渇し始めた「終末の始まり」に生まれてしまったが故に、イヴはそんな貴重なエネルギー体を大量消費する危険性を孕んだ『厄介者の魔素喰らい』に成り下がってしまったわけだ。

『魔力いっぱい使っちゃだめなんだよ。イヴは我慢してるのにーっ!』

(※当時の使用人【旧型機巧人形カガリビト】に対して)

父、アダム・ブレイズは彼女の境遇を不憫に思い、溺愛した。
彼の「セントラルの英雄」としての特権、そして独自の魔導技術を駆使した補助機構の助けによって、彼女は常に、星に漂うエネルギー体、“アストラルフレア”との接続制限を受け、その日常生活において他者が当然のように使用する小規模の魔法すら一切使えぬ“障害”を抱えて生きてきた。
そんな『魔素喰らい』への世間からの風当たりは、相当に冷たいものだ。
だが、父の威光が、そして彼の大きな愛が、常に少女を守っていた。
そんな特殊な境遇において、イヴが「普通の子供」として社会の輪に受け入れられることは終ぞなかったという。
『役立たずのご令嬢』―― その言葉はいつしか彼女にとって、呪いとなっていく。

『セントラルにお引越し…? ママは一緒に行かないの…?』

『…パパだけなんだ。ごめんな。』


『パパお願い!今だけ制限装置これ外して!イヴだって戦える…!』

『絶対だめだ。イヴ、私は君に殺人犯になってほしくない。』

(※祖国グランドシャリオット脱出時:父・アダムとの会話)

そんな世界でやがて発生することとなる人類滅亡への序曲、「終末ノ病」の蔓延。
“記憶”を喰らうその奇病に罹患したことで、イヴが愛した母、リリスは変わってしまった。
イヴはこの時、父・アダムとともに住み慣れた祖国、グランドシャリオットを脱出して、軍事国家セントラルへと拠点を移している。
その際、リリスはアダムへ容赦なく殺害命令を下している。
父はそれでも、決して母や、仲間へ反撃をしなかった。

ただただ幼いイヴを守って、彼自身は大怪我を負いながらも二人が祖国からの脱出を果たすことができたのは、アダムがセントラルにおいて『救国の英雄』とまで呼ばれた「幻影魔術」の使い手だったからだ。
足手まといとなってしまったイヴはこれ以降ずっと、心の中で自分で自分を『役立たず』と責めることとなる。

数年後、そんな偉大な父が「終末ノ病」とはまた異なるとある原因で死亡したことで人類滅亡の未来は確定する。
混沌を極めた“終末のアストラル”で、少女はとある決意を胸に、死期の迫る機巧学者の母・リリスをセントラルへと呼び寄せ、父母の確執から戦争状態となっていた祖国とセントラルとの橋渡し役を担っている。これが『ノアの方舟計劃』の始まりだ。

『私が絶対、ママにもう一度会わせてあげる。
だからね、パパの言いつけ守れない。ごめんね。』

(※父の亡骸に向けて)

母、リリスの死後も少女は最期までその研究を引き継ぎ、足掻き、結果的に約100体の新型機巧人形を完成させることに成功する。
“実在する人間”の心そのものの転写、それこそが「役立たず」と呼ばれ続けたイヴの遺した、禁忌にして、唯一無二の功績だ。

『あなたたちに光の糸と揺るがぬ意志を与えます。』

(※新型カガリビト稼働時の独りごと)

本作の「カガリビト」には少なからず、オリジナルの“自我”が宿っている。
新型機巧人形に自らの魂を移した彼女が自分の役割を思い出すまでに要した長い年月で、駆動が可能な人形達は9体を残すのみとなってしまった。しかし、そんなカガリビトとなって尚、彼女は父母の遺志を引き継ぐ強い意志を貫き通すこととなる。

『これが“心”・・・?私の、役割・・・?』

『星を、守らなきゃ・・・』

イヴが全てを思い出すまでの間に、オリジナルの人間の自我を不完全に引き継いだ新型機巧人形たちは独自の社会を形成し、そして、彼女が彼らに与えた“揺るがぬ意志”は星へのこれ以上のダメージを防ぐ為の強力なセーフティとして機能し続けていた。
まだ、“アストラルフレア”は枯渇しきっていない。
記憶のない仲間達は、それでも確かに、少女にバトンを繋いでくれていたのだった。

『間に合って、よかった。
ごめんね、みんな。遅くなってしまって。
・・・さぁ、私たちの、“最後”の戦いを、始めましょうか。』

眠ってしまった仲間達を全て起動し直さなければ、“篝火”による“自殺機構”は発動しない。
全ての記憶を取り戻して、終末の激動を共に戦った仲間達の無念を晴らす。
すれ違った絆を、もう一度繋ぎ直して・・・
そしてみんなで、喰らってしまった魔素を、星へ還そう――。
それがイヴの目的、『ノアの方舟計劃』の正体だ。

『みんなには“ロストメモリー”を回収してもらいたいの。
SIR=GEMINI、貴方は南、鍛冶神のアトリエへ、
DAME=GEMINI、貴女は北、冥脈の女神の神殿を目指して。
サジーとファイ、それにレオは東よ。始の女神の混沌が貴方達を待っている。
最後にアリエスとリブラ、貴方達は海を越えて西へ。
旅神の石城に全ての答えがあるはずよ。
サビク、彼らの護衛をしてちょうだい。
“この旅は、誰一人、欠けてはならないの”。』

『仰せのままに。我が君。』

自身がカガリビトの社会形成を以てしても「ロールレス」と呼ばれた皮肉に、独り自嘲的な笑みを浮かべ、彼女はセントラルの“最後の皇帝”としての役割を果たす為、行動を開始する。

『アダム・ブレイズの軌跡』 ▶

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※以降のストーリーはキャラクター順に繋がっています。